香川県
2021年11月25日
2022年度のインターハイは四国でおこなわれる。バスケットボールの競技会場となるのは香川県。同県としては、新型コロナウィルスの感染拡大がやや落ち着きを見せているとはいえ、翌年のことも考慮しながら、県内でおこなわれる大会であっても細心の注意を払って、おこなう必要がある。その試金石とも言うべき大会がウインターカップ香川県予選だった。
今年は県の方針で夏休みが延長となり、その一方で部活動にはさまざまな制約が求められた。特に9~10月の対外試合禁止措置は、ウインターカップに向けての試合経験を積ませるうえで大きなブレーキとなったと言っていい。
それでも県内外の感染状況を鑑みながら、各チームが試合の2週間前から健康観察をおこない、手指やベンチエリアの消毒、試合に出場している選手以外のマスク着用などの感染対策を徹底。応援は、保護者もしくはベンチ登録外選手で各チーム最大15名でのアリーナ観戦を許可して、ウインターカップ予選を開催した。
結果として今年度のウインターカップに出場するのは、男子が尽誠学園、女子が英明となった。尽誠学園は4年連続14回目、英明も2年連続24回目の出場である。
NBAのトロント・ラプターズでプレーする渡邊雄太選手の母校でもある尽誠学園は、県内でも一歩抜けた存在である。とはいえ、チームを率いる色摩拓也コーチに慢心はない。毎年変わる選手それぞれの特長を生かしつつ、総合力を最大限に引き出すチーム作りをおこなっている。その成果が、ウインターカップ予選で全試合100点ゲーム(2回戦は200点を超えている)での優勝だろう。
その尽誠学園を追うのは、昨年度のウインターカップに出場している高松商業と、今大会の決勝戦まで勝ち上がった多度津、そして藤井寒川である。彼ら3校の実力は伯仲しており、互いに高め合いながら頂点を目指している。
女子の英明は、年配の香川県出身者であれば、明善と言ったほうがわかるかもしれない。2001年に校名を変えている同校は、明善時代から香川県の高校女子バスケット界をリードしてきた。しかし今年度のインターハイ予選では高松南に6点差の苦杯をなめている。しかしウインターカップ予選では爆発力のある高松南を堅いディフェンスで封じ込め、89-68で雪辱を晴らしている。
長らく香川県の頂点に立っていた英明だが、インターハイの結果が示すとおり近年は高松南が台頭し、高瀬なども力をつけてきている。その座はけっして安泰ではない。しかしそうしたライバル校の存在が、それぞれのレベルアップを促進しているのは間違いないだろう。
昨年度のウインターカップでは尽誠学園がベスト8まで勝ち進んでいる。しかし今夏のインターハイでは2回戦敗退。女子の高松南も初戦敗退に終わっている。上記の渡邊雄太選手のみならず、B2の香川ファイブアローズも西地区で首位を走るなど(11月21日現在)、バスケット熱が高まっている香川県。一筋縄ではいかないウインターカップだが、香川県代表として、その熱を存分に放ってもらいたい。