ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

来年こそ必ずーー

2021年12月24日

 アメリカ仕込みのバスケットを引っ提げ、今春、鳴り物入りで開志国際に加わった#13介川アンソニー翔。彼にとって初めての高校バスケシーズンは、夏冬ともにほろ苦いものとなった。

「SoftBank ウインターカップ2021 令和 3 年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子 1 回戦。介川の所属する開志国際はインターハイ 3 位の強豪・福岡大学附属大濠と対戦した。

 1 回戦で最注目のマッチアップとあって接戦が期待されたが、最終スコアは64-88。試合開始早々から大濠が仕掛けてきたゾーンプレスにハマってしまった開志国際は、試合を通して29ターンオーバー (大濠は17)。その差が最終スコアに直結してしまった。

 介川自身も「最初は 3 ポイントシュートなどを決めようと積極的にプレーできたのですが、途中でレイアップにいこうとしたときに思うように打てなくて、ファウルも鳴らず……そこから自分の積極性も落ちてしまいました」と、わずか 6 得点。9 リバウンド、6 アシスト、3 スティールと得点以外の面で奮闘は見せたものの、本来のパフォーマンスとはほど遠い出来だった。

 大濠には190cmオーバーの選手も多く、高さ、長さ、フィジカルの強さともに普段よりも大きな選手たちが相手となったことで「自分の思っていたプレーが全然できず、3 年生に申し訳ないパフォーマンスでした。(大濠は) 全体的にサイズが大きいチームで、相手のディフェンスが壁のように立ちはだかった感覚でした」と介川は悔やむ。

 彼自身、アメリカのバスケットから日本のバスケットに順応し、その上で開志国際のスタイルになじむのにも苦労があったはず。「最初は、日本のバスケットはもっとスピードで戦っていると思っていたのですが、実際にやってみるとアメリカに似たバスケットをするチームもあったり、いろいろなやり方のチームがありました。開志国際の選手たちは日本でのトップレベルにうまい選手たちだと思いますが、それと同じかそれ以上にうまい選手もいます。日本の学校にもうまい選手はたくさんいることを、この 1 年で感じました」と、日本での 1 年目を振り返る。

 インターハイでは中部大学第一の #7田中流嘉洲らとのマッチアップを経験し、このウインターカップでは大濠の#14湧川颯斗や#8川島悠翔といった同世代のライバルとも戦った。結果はどちらも大敗だった。

 彼らを倒すためには自分にはまだ力が足りないーー。

 高校界で一番うまい選手になることを目標としてきただけに、夏冬の苦い敗戦は介川にその難しさを痛感させたはずだ。その経験を踏まえて「僕はスロースターターなところがあって、毎試合『1 Qからやってやるぞ』という気持ちではいるんですけど、今日もスロースタートで後半もあまり調子が上がりませんでした。次はそこを直していくのと、エースとしてどんな場面でも点を取って、ディフェンスもリバウンドも絶対負けない選手になります」と込み上げる悔しさを抑えて、言葉を紡いだ。

 早い日では朝 5 時前からシューティングをし、夜も体育館が閉まるギリギリまでバスケットをしているという介川。生粋のジムラッツである未完の大器は、取材の最後に「来年は絶対に日本一を取ります」と固く誓って、初めてのウインターカップを後にした。

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