ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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愛媛県

2021年11月19日

 新型コロナウイルスは今年度も愛媛県の高校バスケット界に大きな影響をもたらした。例年であれば地区予選会をおこない、それを通過したチームによってウインターカップ愛媛県予選がおこなわれるのだが、今年度は地区予選会が中止となり、エントリーした全チームが参加する形でのウインターカップ予選となった。これは愛媛県としては初の試みだという。しかも完全な無観客での大会である。勝敗に関わらず、高校生活最後の大会に臨んだ3年生と、その保護者らにとっては、バスケットができる喜びと、勇姿を見てもらえない悔しさがない交ぜになったウインターカップ予選だったに違いない。
 そのウインターカップ予選を突破し、ウインターカップへの出場権を獲得したのは男子の松山学院と女子の聖カタリナ学園である。

写真提供:愛媛県バスケットボール協会

 松山学院とは聞き慣れない校名と思われる読者もおられるかもしれないが、「松山城南」と言えばピンとくるのではないだろうか。同校は今年4月、学校創立130周年を機に校名を「松山学院」と改称。新校名として初の全国大会となるインターハイの愛媛県予選では決勝戦で新田に51-107と大敗を喫してしまう。しかし彼らはそこから立ち上がり、ウインターカップ予選の決勝戦で新田と再戦。ハードなディフェンスと、ニュートラルのボールを粘り強く拾い上げ、それをゴールへと結びつけた。その結果が85-84、1点差での勝利となった。松山学院としてはもちろん初めてのウインターカップ出場だが、松山城南時代を含めると25年ぶり4回目となる。

写真提供:愛媛県バスケットボール協会

 ラストショットがリングに嫌われ、1点差で敗れた新田はもちろん、ベスト4に入った松山工業も松山学院に対して3点差での敗北。いわば三つ巴のなかで松山学院はチーム一丸でウインターカップの出場権を得たことになる。また準決勝で新田に敗れた松山西も、新人大会から安定した力を発揮し、ベスト4入りを果たしている。

 一方の聖カタリナ学園は初戦から決勝戦まですべて100点ゲームで他校を圧倒している。インターハイでは3回戦で全国屈指の強豪校である札幌山の手(北海道)に競り勝ち、ベスト8まで進んでいる。続く準々決勝で優勝した桜花学園(愛知)に完敗を喫したことも、彼女たちの闘志に火をつけたのだろう。今夏の経験は大きい。

写真提供:愛媛県バスケットボール協会

 もちろん決勝戦で敗れた済美も前半は食らいついたし、宇和唯選手のように聖カタリナ学園を相手に30得点をあげた爆発力のある選手もいる。また堅守速攻を旨とする新居浜商業や、3回戦を1点差で勝利して準決勝まで勝ち上がった松山商業など、多くのチームが「打倒・聖カタリナ学園」に向けて、日々の練習に励んでいる。彼女たちの悔しさを昇華させるためには、聖カタリナ学園がウインターカップで上位に進出するしかない。

 バスケットへの関心度が向上してきている愛媛県において、松山学院と聖カタリナ学園のウインターカップでの戦いぶりは要注目である。

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