北海道
2021年12月21日
ウインターカップ北海道予選、男子は札幌地区以外のチームが健闘を見せた大会となった。決勝リーグに進んだのは、白樺学園(河西郡)、東海大学附属札幌(札幌)、北海道恵庭南(恵庭市)、駒澤大学附属苫小牧(苫小牧市)の4チーム。結果は、白樺学園と駒澤大学附属苫小牧が2勝1敗で並んだが、両校の直接対決で勝利した白樺学園が1位に。また、東海大学付属札幌と北海道恵庭も1勝2敗と星を奪い合い、まさに激戦の様相を呈した予選となった。
写真提供:北海道バスケットボール協会
白樺学園は、インターハイに続く今年度2度目の全国大会出場となる。エースの山田哲汰は、ポイントガードとしてピンチの時にも確かなゲームメイクと点を取ることができる選手。また、長谷匡悟はシューターとして得点を量産、舘山由青はオールラウンダーとして状況を問わない柔軟な対応力が期待される。この3人をはじめメンバーは多くの2年生で構成されるが、勢いがあると同時に安定感を課題とするチームをまとめるのは3年生のキャプテン寒川敬太だ。今大会の白樺学園はオールコートのディフェンスをテーマとしており、目指すは“全国初勝利”だ。
写真提供:北海道バスケットボール協会
駒澤大学附属苫小牧は、初めて切符をつかんだ昨年に続くウインターカップ連続出場となる。今年は白樺学園とともに、インターハイにも3年ぶり4回目の出場を果たした。ゴール下を守るのは、身長205cmのティオウネ ババカル。だが、エース大山未南斗や 2 年生キャプテン平田峻大を中心に粘り強いディフェンスを見せ、全員でリバウンドやルーズボールを頑張るなど、留学生だけに頼ることなく組織力で戦うチームである。白樺学園と同じく、2年生が中心となるだけに控え選手の底上げが課題だが、インターハイでは果たせなかった1回戦突破ができれば、勢いに乗り、他チームにとっても要警戒の存在となるかもしれない。
女子北海道予選は、札幌山の手(札幌)、酪農学園大学附属とわの森三愛(江別市)、旭川藤星(旭川市)、北星学園女子(札幌)の4チームが決勝リーグへ進出。札幌山の手が3戦全勝と盤石の強さで3年連続39回目の出場権を手にした。2年生ながらオールラウンドに全てのプレーをハイレベルでこなす森岡ほのかを中心とした激しいディフェンスからの速攻は、道内では飛び抜けた存在だ。上島正光監督は札幌山の手で52年間、指揮を執るが、その間には、東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した日本代表メンバーの町田瑠唯(2011年卒)、長岡萌映子(2012年卒)、東藤なな子(2019年卒)など数多くの逸材を輩出していることも見逃せない。
写真提供:北海道バスケットボール協会
予選2位となった旭川藤星(旧旭川藤)は1965年創部の伝統校。2018年に共学化されて以降、初の全国大会への出場となった。1979年から指導してきた前監督の伊藤淳子氏のもと、2度のインターハイ出場歴があるが(2014年千葉、2016年広島)、今回は2017年から引き継いだ同校OGの河合美菜コーチのもと、待望のウインターカップ初出場となる。エース平下結夏は、速さを生かしたドライブとリバウンドが持ち味で、シュートエリアも広く、どこからでも点が取れるオールラウンダー。また、キャプテン荒田乃愛は勝負強さと粘り強さが持ち味のシューターで、チームの精神的な柱となっている。伊藤コーチの時代から変わらない、基本に忠実な高校生らしいバスケットで冬の大舞台に挑む。
昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、及び福岡県の7都府県に緊急事態宣言を発令したのは4月7日。しかし、北海道はそれより1か月以上も早い2月28日に独自の緊急事態宣言を発令していた。今年も引き続き、道内の方針で各学校への感染症対策ガイドラインが定められ、高校の部活動も多くの制約があった。練習試合などの交流にも制限がかかり、大会に向けてまとまった練習ができる時間は、どのチームも限られたものだった。予選となる全道大会も当初予定していた地区での開催が困難となり、開催地を変更するなどの困難もあったが、参加したいずれのチームもコロナ対策を遵守したことにより大会はスムーズに運営され、無事に日程を終えた。
2023年には、1987年以来36年ぶりに北海道でインターハイが開催される。全国各都府県を代表するチーム、選手たちが持てる力を存分に発揮できる大会となるよう、そして、そのプレーを数多くのバスケファンが観戦できることを願って、地元では鋭意、準備を進めている。今回のウインターカップに出場する1年生が最上級生となる2023年。成長を遂げた選手たちが、北海道を舞台にどんなプレーを見せてくれるのかにも期待が募る。