ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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大分県

2021年12月20日

大分県は新型コロナウィルス第5波の影響で、ウインターカップ予選の開催が心配されたものの、無観客試合での実施することになり、そのため、1回戦から全試合ライブ配信を行った。途中、感染症や災害で棄権するチームはあったが、3年生最後の大会として上級生の力を発揮する機会を中止せずに済んだ。ウインターカップに出場を決めた男子の別府溝部学園、女子の大分は両校とも私立高校で、従来、県立高校の出場が多かった大分県に新しい風を巻き起こしている。

男子1位となった別府溝部学園は新人大会では惜しくも敗れている。しかし今大会では持ち味の堅実なディフェンスとファストブレイクで、決勝の対戦相手である大分上野丘を封じ込め、新人大会のリベンジを果たした。また、2位の大分上野丘は新人大会の覇者である柳ヶ浦(59-56)を撃破して決勝にコマを進めた。

決勝は別府溝部学園が速い攻撃と徹底したインサイドアタックで大分上野丘を退けた。留学生のモンガ・バンザ・ジョエル(203センチ)を中心として完璧な戦いぶりを見せた。1クォーターは大分上野丘も3ポイントシュートやタップシュートで応戦。しかし、2クォーターに入るとゴール下に待ち構えるビッグマンを警戒し、3ポイントライン上しかボールが回らない苦しい展開に。別府溝部学園は徐々に自分たちのペースをつかみ、ファストブレイクからのアリーウープも飛び出すなど、一気呵成に攻め立てた。
大分上野丘は好プレーで対抗したが、ペリメーターからのジャンプシュートを単発に決めるのが精いっぱい。さらに、別府溝部学園は留学生を中央に置いた迫力の3-2ゾーンディフェンスを仕掛けるなどして、3クォーターには73-43の30点差。そのまま107-58の大差で大分上野丘を破った。

別府溝部学園は決勝を含めた予選3試合(45-129/対臼杵、72-122/対大分舞鶴)の全てを100点ゲームで勝利。ビッグマンの留学生を中心として、機動力のあるチームに仕上がっており、全国大会ではモンガ以外のプレーヤーの得点が上位進出のカギを握っているだろう。2年ぶり3回目のウインターカップの舞台は、選手一人ひとりの成長をより促すはずだ。

ちなみに、ノーシードの大分工は1回戦を161-48(対中津東)、2回戦を108-51(対昭和学園)、3回戦を107-50(対大分豊府)、4回戦を87-57(対中津南)で下したが、第1シードの柳ヶ浦に81-83で惜敗。ベスト4にはわずかに及ばなかったものの、今年度最後のウインターカップ予選でベスト8へ進出したことは大健闘と言えるだろう。

女子1位の大分は、インターハイ県予選では途中棄権となっている。今大会ではスピードを持ち味にして、決勝の相手である明豊に勝利し悔しさを晴らした。一方、2位の明豊はインターハイ県予選に続き2冠を目指したものの、大分のスピードの前に及ばなかった。

決勝は明豊、大分ともに硬さからか、開始2分半は無得点。大分が得点したことをきっかけに点の取り合いになった。だが、残り3分あたりから大分はファストブレイクや3ポイントシュートが決まり出し、一気にスパート。15-12から33-14と3分間で18-2とする破壊力抜群のオフェンスを展開する。そうなると、試合は大分ペースに。勢いをそのままに2クォーターで62-30、3クォーターで93-41とし、最後は113-58と明豊を圧倒。チーム一丸となり、スピードで対戦校を圧倒し、優勝まで走り切った。大分は中学からの6年一貫指導で、念願のウインターカップ初出場を果たした。全国の舞台でも、県予選のままの勢いで走り切り、勝利をつかむことを期待したい。

男女ともベスト4、ベスト8は男子の1チームを除いて全て順当に勝ち上がり、4強には男子・柳ヶ浦、大分舞鶴、女子・中津北、藤蔭、8強は男子・別府鶴見丘、日田、臼杵、大分工が食い込んだ。女子は情報科学、中津東、大分商、大分鶴崎となった。

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