ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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岐阜県

2021年12月15日

岐阜県では県の方針により、8月20日から9月末日まで、部活動が禁止された(しかし、一部の私立校は練習を行っていた)。10月から部活動再開となったが、平日は2時間程度、土日はどちらか1日3時間程度、練習試合も日帰りのみという制約がある中、各学校は10月16日から始まるウインターカップ予選に向けて調整を行った。
ウインターカップには女子の岐阜女子が東海ブロック大会に優勝したことで、出場枠が1つ付与され、2枠となった。

写真提供:岐阜県バスケットボール協会

男子では富田が1位となり、初のウインターカップ出場を決めた。同校はここ数年決勝で悔しい思いをしてきたが、今年度はインターハイとウインターカップのどちらも優勝し、全国大会出場を果たした。優勝できたのは、関東から進学してきた選手と留学生の力が大きいが、選手一人ひとりの個性をコーチ陣が伸ばし、チームとして機能するようにしてきたからこそ、結果が出たのだと言える。高橋快成はB3 岐阜スゥープスと特別指定選手として契約を締結、実勢にプロの試合に出場した経験もあり、チームの中心選手として全国大会での活躍も期待できる。
2位の美濃加茂も下級生から試合に出場し、経験を積んできた選手が多かったが、決勝ではシュート率の低さとターンオーバーの多さで敗れた。悔しい思いをした後に這い上がってくるチームなので、先輩のリベンジを果たすと後輩たちが燃えていることだろう。今後に期待したい。

男子は近年、留学生が所属しているチームが3位までを占めている。しかし、留学生がいなくなる新人戦は波乱が起こる可能性もあり、非常に楽しみと言える。

写真提供:岐阜県バスケットボール協会

女子では1位の岐阜女子は、県内では他を寄せ付けない強さを発揮した。他のチームも同校に勝とうと挑まない。その状況の中、岐阜女子が目指すのはただ一つ、『日本一』だけである。夏(インターハイ)の雪辱を冬(ウインターカップ)に果たすべく、どこからでも得点できるよう、オフェンス力を上げて、ウインターカップに臨む。留学生の控えがいないことが弱点とならないよう、藤澤夢叶を中心にアウトサイド陣が力をつけてきている。冬にかけて一段と強くなるのが岐阜女子の伝統でもあるので、同大会での優勝を期待したい。
2位の県立岐阜商は県内の選抜の選手が多く進学しており、もともと力をもっている選手が多いチームだ。現在のウィナーカップの制度になってから、すべて全国大会に出場しており、過去最高の結果を出したいと考えている。今年度のチームはサイズがあり、それを武器に本大会でも戦いたい。
今年の女子は近年にないほど2位から5位まで力の差がなく、どこが全国大会に出場してもおかしくない状況だった。今後も岐阜女子以外は接戦が予想されるため、ベスト4争いが熾烈になると予想される。

写真提供:岐阜県バスケットボール協会

ウインターカップ初出場を決めた富田は、今夏のインターハイで初めて全国大会にコマを進めた。大会では準優勝した帝京長岡と2回戦で対戦。68−86で敗れるも好ゲームを演じただけに、ウインターカップではベスト8を狙っている。関東から進学してきた植田碧羽、高橋快成がリーダーシップを執り、その高橋快成がゲームメイクをして、着実に得点につなげるチーム作りをしている。留学生センター、モハメド ナビ サールには献身的なリバウンドとフィジカルの強さもあり、チームが大きく崩れることはない。アウトサイドのシュート力も高く、留学生以外はスリーポイントシュートを決める力をもっている。関東圏の選手が入部したことでチームががらりと変わった。全国大会でも旋風を巻き起こしてくれると期待したい。

岐阜女子は言うまでもなく、全国屈指の強豪校。基礎基本がきちんと教え込まれており、ディフェンス力はもちろんのこと、オフェンスにも磨きをかけて、ウインターカップ優勝を目指す。全員がバスケ部専用の寮で生活しているため、チームのまとまりや信頼関係は強い。夏の悔しさ(インターハイ・ベスト4)をバネに、ハードな練習を積んだことが目に見えてわかるくらい、身体や足がたくましくなっている。また1年生が成長著しく、ウィンターまでにどのくらいチームにマッチしてくるかも優勝へのカギを握るかもしれない。選手層も厚く、チームの目標は優勝しかない。昨年は準々決勝で敗れただけに、今年にかける思いは強い。

県立岐阜商は、学校自体部活動が盛んで、多くの部が全国大会に出場している。そのためか県立岐阜商が負けることは許されないというような学校の雰囲気もある。地域からの期待も大きく、そのようなプレッシャーの中で、活動する選手は大変であるが、プライドをもって学校生活も部活動にも励んでいる。部活動が盛んなため、学校の体育館がなかなか使えず、市内の公共の体育館を転々としながら練習し、力を伸ばしてきた。選手個々の力は県内トップクラスの実力であり、その能力を発揮して全国大会でも 2 勝を目指して頑張ってほしい。

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