佐賀県
2021年12月10日
佐賀県は2024年に国民スポーツ大会の開催を控えており、強化拠点校(男子:佐賀東・佐賀北、女子:佐賀北・清和高)を中心にブロックや全国で活躍できるチーム作りを行っている。佐賀県の高校チームは地元出身の選手がほとんどであり、高さなどの体格面では劣るため、スピードを生かした平面的なバスケットボールで勝負することを目指している。ウインターカップ県予選では、男女ともに強化拠点校同士による決勝となったが、佐賀北がアベック優勝でウインターカップ出場権を得た。
男子の佐賀北は、インターハイ予選では決勝リーグで佐賀東に61-69で敗れており、その佐賀東が全国への出場権を得ている。ウインターカップ予選では、決勝で対戦した佐賀東に74-56とリベンジを果たし、実に11年ぶりとなる12回目のウインターカップ出場を決めた。
決勝では試合開始からオールコートプレスを仕掛けた佐賀北が先行。佐賀東はキャプテンの田中蓮太、得点源の武富楓太らが応戦し盛り返す。その後も佐賀北が2ケタのリードを奪うと、佐賀東が詰め寄る展開が続く。最終クォーターに入り、佐賀東は52-52の同点に持ち込むが、そこから佐賀北はエースの中島翔雲が2本連続で3ポイントシュートを決めるなど、再び突き放す。勝負どころで攻防にわたって集中力を見せた佐賀北が一気に突き放して勝負を決した。
女子は佐賀清和との接戦を92-85で佐賀北が制した。佐賀北は春季大会、インターハイに続いて県で優勝を収めたが、インターハイ予選の決勝リーグでは佐賀清和に50-62で敗れ、佐賀商業を含めた2勝1敗で並んだ3チーム間の得失点差によって全国出場を果たした経緯がある。
しのぎを削り合うライバル同士の決勝戦は佐賀清和が佐賀北にしっかりと付いていく展開でスタートした。第1クォーターの終了間際に佐賀北の司令塔谷口奈瑠瀬が連続して3ポイントシュートを決めて29-19と点差を2ケタに広げて主導権を握る。しかし、第2クォーターには佐賀清和も敷田アイリらの活躍で点差を詰める。お互いに譲らず、佐賀北が3ポイントシュートを決めれば佐賀清和が決め返し、42-39と佐賀北が3点リードで後半を迎えた。
第3クォーターに入ってもつば競り合いは続き、残り6分で佐賀清和が3ポイントシュートで53-52と逆転する。しかし、これでスイッチの入った佐賀北は谷口が3ポイントシュートを決め返すなど相手の流れを断ち57-67と2ケタのリードに戻して最終クォーターへ。結局、要所で司令塔の谷口が試合をコントロールした佐賀北がしっかりと逃げ切り、5年連続8回目のウインターカップ出場権を得た。
アベック出場を果たした佐賀北のメンバーは公立・普通科の生徒たち。学業との両立を果たしながら、限られた練習時間の中でチームに合った戦術を練りチームを作ってきた。男女とも目指すは、まずは初戦突破!
高さがない分、鍛えられた機動力とフィジカルの強さで活路を見出したいところだ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年度1月の県新人大会兼全九州春季大会兼予選を途中で中止せざるを得なくなった。放課後や県内外のチームとの交流を自粛せざるを得ない時期もあったが、現在では、通常どおりの活動を実施している学校がほとんどである。6月のインターハイ予選までは無観客で大会を実施したが、ウインターカップ県予選からは保護者のみではあるが試合の観戦を許可している。