ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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山口県

2021年12月1日

 前年に比べると、新型コロナウィルスの感染拡大による大きな混乱はなかったという山口県の高校バスケットシーン。ウインターカップ山口県予選もマスクの着用や手指消毒、換気の徹底といった基本的な感染対策をおこないつつ、観客も人数制限をするくらいに留まったという。

写真提供:山口県高校体育連盟バスケットボール専門部

そんななかでウインターカップ2021の出場権を獲得したのは、男子が8年連続16回目の豊浦。インターハイ予選では、インターハイに出場した高水に敗れ、ベスト8という結果に終わっている。その悔しさを経験という武器に変えて、また伝統の堅いディフェンスもさらに鍛え上げられて、夏の雪辱を果たした。
インターハイに出場した高水はエースの負傷も響いてベスト8に終わっている。そのため、豊浦をはじめ、早鞆、誠英、山口とベスト4に入ったチームにはいずれもチャンスがあったわけだが、最後は上記のとおり、豊浦の堅いディフェンスが全国への道を切り拓いた。下級生主体のチームだが、3年生もチームの土台をしっかりと支えており、ウインターカップの戦い方次第では来年度に向けても、大きなステップになりそうである。

写真提供:山口県高校体育連盟バスケットボール専門部

女子は徳山商工が6月の中国ブロック大会を制したことで、ウインターカップへの出場枠が2つに増えていた。その2枠をつかんだのが、徳山商工と慶進である。徳山商工は2年連続4回目、慶進は3年連続15回目の出場となる。
徳山商工のインターハイ3回戦は劇的だった。残り3秒で同点に追いつきながら、最後の最後でブザービーターを決められ、敗れている。その差は2点。裏を返せば、彼女たちは全国ベスト8まであと一歩の力を有しているとも言える。高いレベルでの経験と悔しさは県内で他を寄せ付けない安定した戦いぶりにも現れている。攻守に渡ってバランスのとれたチームバスケットをさらに磨いて、ウインターカップ本戦ではどこまで勝ち上がれるかに注目したい。
慶進はインターハイ予選こそベスト8で終わっているが、チームとしての前評判は高く、夏の敗北をうまく昇華させたといっていい。ウインターカップ出場のかかった準決勝でも第2シードの下松を圧倒するなど、チームとしての成熟度は上がっている。仕上がり次第ではウインターカップでは台風の目になれるかもしれない。

写真提供:山口県高校体育連盟バスケットボール専門部

山口県全体を見ると、山口ペイトリオッツがB3に参入するなど、少しずつバスケットへの関心は高まっている。県勢としてはインターハイやウインターカップを制したことはないが、豊浦の枝折康孝コーチ、徳山商工の中村浩正コーチ、そして慶進の村谷勉コーチがそれぞれの持ち味を発揮すれば、ウインターカップを盛り上げる存在になれるかもしれない。

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