ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

大阪府

2021年11月19日

 大阪府のウインターカップ予選の男女決勝は10月15、16日にBリーグの大阪エヴェッサとの共催にて、おおきにアリーナ舞洲で開催された。
 大会を制したのは男子・大阪桐蔭、女子・大阪薫英女学院となった。

写真提供:大阪府バスケットボール協会

男子優勝を飾った大阪桐蔭はインターハイ予選では4位。その際には近畿大学附属、大商学園、大阪学院、大阪桐蔭の4校が決勝リーグに勝ち残り、近畿大学附属と大商学園が本戦出場権を獲得した(近畿大学附属は新型コロナウイルスの影響により本戦は辞退)。
ただ、1位通過の近畿大附属は2戦目で大阪桐蔭に46-68で敗れており、初戦で近畿大附属に敗れた大阪学院は最終戦で大阪桐蔭を圧倒(85-63)、最終的に2位通過した大商学園は大阪桐蔭と2点差の大接戦(79-77)を勝ち切るなど、上位陣が実力伯仲であったことは夏の結果が物語っている。
そんな経緯からウインターカップ予選でも接戦が予想されたが、結果は大阪桐蔭が他を圧倒する形となった。初戦で関西大学北陽(68-46)に快勝すると、準決勝では夏の王者・近畿大学附属と対戦。持ち味のディフェンス力を存分に発揮し、ツープラトンで変幻自在なゲーム運びを得意とする相手を49得点(大阪桐蔭は86得点)に抑える堅守で、決勝進出を決めた。両校の対戦結果だけを見れば、夏冬ともに大阪桐蔭が大差で勝利している。
逆の山から勝ち上がってきたのは、インターハイ予選ではベスト16と、悔しさを胸に夏を乗り越えてきた阪南大学。この決勝は両者ともに勝てば初のウインターカップ出場となる試合だったが、序盤から大阪桐蔭がリズムをつかむ。
得点、アシストとオールラウンドに活躍する金友蓮、195センチの高さとフィジカルの強さを武器にインサイドで存在感を放つ大黒柱の尾形隼を起点に前半で14点のリードを奪うと、後半も順調にスコアを伸ばしていった。一時、阪南大学の3ポイントシュートや積極的なペイントアタックなどで勢い付かれるシーンもあったが、8点差で迎えた第4クォーターは35-16と阪南大学を圧倒。最終スコア86-59で悲願のウインターカップ初出場を決めた。
阪南大学としては無念の準優勝となったが、夏から大きくステップアップしたことは確か。実際に、今大会ではインターハイ出場校の大商学園と、インターハイ予選の決勝リーグ出場者である大阪学院を破っての勝ち上がりと、見事な戦いぶりを披露した。

写真提供:大阪府バスケットボール協会

一方の女子は、インターハイ準優勝の大阪薫英女学院が決勝でライバルの大阪桐蔭を撃破。4年連続34回目の出場を果たした。
今年も大阪薫英女学院と大阪桐蔭の“2強体制”は変わらなかったが、6月末に開催された近畿ブロック大会では上位4チーム中3チームが大阪府代表校だった(大阪薫英女学院、大阪桐蔭、星翔)。この事実を考えても、府全体として近畿ブロックでは頭一つ抜けた実力を持っていたことは明らかだ。

今年の大阪府女子は大阪薫英女学院のインターハイ準優勝により、ウインターカップ本戦の出場枠が2に。近畿ブロック大会で大阪薫英女学院が惜しくも準優勝に終わったことで枠数を3にすることはできなかったが、2強の優勝争い、また、決勝戦の翌週に行われた代表選考会で本戦出場の2枠目を争った大阪桐蔭、星翔、金光藤蔭の争いも見逃せないものとなった。
最注目の決勝戦は、総力戦で向かってくる大阪桐蔭に対して大阪薫英女学院がリードを奪う展開に。2年生エースの都野七海がドライブでディフェンスの懐に飛び込み、外からも効率良く3ポイントシュートをヒット。さらに3年生の宮城楽子も抜群のスピードを生かしたペネトレイトや、そこからのストップ・ジャンプシュートなどでリードを拡大。前半で40-20のダブルスコアで大阪桐蔭を圧倒した。
しかし、後半に入ると大阪桐蔭も反撃。 1年生の北條瑚奈が得意の3ポイントシュート、同じ1年生の片山朋子が速攻からレイアップを沈めるなど、チーム全体が好ディフェンスから反撃の糸口をつかむ。
ただ、大阪薫英女学院はタイムアウト明けに宮城が3年生の意地を見せ、スティールからのワンマン速攻など次々に加点。十八番のオールコートディフェンスも大阪桐蔭に大きなダメージを与え、最終的には68-55の勝利を収めた。
高さこそないが、機動力を武器に全国を駆け上がった大阪薫英女学院はキャプテンの都野、彼女とバックコートメイトを形成する熊谷のどか、 1年生センターの島袋椛といった下級生が主力を務めるが、先発に名を連ねる宮城、佐藤双羽の3年生コンビもプレー面、メンタル面で夏よりもワンランク完成度が増した印象。ウインターカップでの悲願の全国制覇なるか。また、2枠目には代表選考会で2勝を挙げた大阪桐蔭が選出。こちらは3年連続5回目の出場となる。

写真提供:大阪府バスケットボール協会

今年も新型コロナウイルスの影響が大きかった大阪府は、府の感染症対策ガイドラインが定められた高校は大会3週間前まで部活動を行えない期間があるなど、コンディション維持は非常に難しかったはず。また、練習を行えたとしても平日は1時間程度、土日はいずれか1日のみで2、3時間程度の練習時間しか確保できず、合同練習や練習試合、府をまたいでの活動も禁止と厳しい制約が設けられた。
それでも、徹底した感染対策を1年間継続してきたことで、集大成となるウインターカップ予選の決勝を大阪エヴェッサとの共催による「有観客」での実施にできたことは、大きな成果と言える。選手たちにとって、特に1 、2年生にとっては高校入学以来、初めての有観客試合となったため、来年度以降にもつながる試合となったはずだ。

NOW LOADING

TOP