ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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宮城県

2021年11月18日

 10月16日から18日にかけて、大崎市古川総合体育館と中新田体育館でウインターカップ宮城県予選が行われた。
 全国への切符を得るのは男女ともに上位2校。これは2月の東北新人ブロック大会や6月の東北ブロック大会がコロナ禍で中止となり、優勝県に与えられるはずだったウインターカップの東北ブロック枠が、登録校数の最も多い宮城県に与えられたためである。

 男子は、仙台大学附属明成が10年連続15回目の優勝を飾った。全5試合、すべて100点ゲームで相手を圧倒。上位4チームで行われた決勝リーグも宮城県利府を103-32、東北学院を117-52、東北を148-22という大差で下し、攻防に渡って相手につけ入る隙を与えなかった。
 今年の仙台大学附属明成は、7月に「FIBA U19 バスケットボール ワールドカップ2021」に出場した3年生コンビ、山﨑一渉と菅野ブルースを筆頭に、華やかな長身オールラウンダーをそろえる。中でも菅野はケガで昨年のウインターカップに出場できず、優勝の喜びと同時に悔しさも味わった選手。これまでの鬱憤を晴らすべく、最後の大会に懸ける思いは人一倍強いだろう。
 また、男子準優勝でウインターカップ出場を果たしたのが東北。決勝リーグではインターハイ予選準優勝の東北学院に94-84で競り勝ち、続く宮城県利府戦には80-57で快勝。最後は仙台大学附属明成に力の差を見せつけられたものの、2勝1敗でウインターカップ出場を決めた。上背はないが、持ち味のゾーンプレスなど、40分間足を使って勝機をつかむチーム。過去2015年には、前田怜緒 (信州ブレイブウォリアーズ)らを擁して初出場のウインターカップで3回戦進出を果たしている。6年ぶり2回目の出場となる今回のウインターカップにも、チャレンジャーとして全力で挑む構えだ。

 一方、宮城県女子は、インターハイ予選で準優勝だった仙台大学附属明成がライバルの聖和学園を下して2年ぶり8回目の優勝を飾った。
 決勝リーグに進んだ上位4チームは聖和学園、尚絅学院、東北、仙台大学附属明成という顔ぶれ。ともに2勝を挙げた聖和学園と仙台大学附属明成がウインターカップ出場権を獲得し、優勝を懸けて最終戦を争うことに。試合は延長にもつれる大接戦の末に、仙台大学附属明成が79-73で勝利をもぎ取った。
 仙台大学附属明成は、サイズはないものの、激しいディフェンスからの素早い攻撃と、高確率の外角シュートが武器。際立ったエースはいないがキャプテンの大久保凪紗を中心に一枚岩となり、総合力で戦うチームだ。劇的なゲームで県予選を制した勢いを、2年ぶりのウインターカップにつなげて大暴れしたい。
 一方、準優勝でのウインターカップ出場となった聖和学園。仙台大学附属明成との最終戦は、4クォーター終了間際に3ポイントシュートを決められて追い付かれ、延長では先手を取られて苦杯をなめた。それでも、県内屈指の充実した戦力を誇り、優勝した仙台大学附属明成とも力の差はない。個人技に優れた2年生オールラウンダーの上野心音など、伸び盛りの選手も多く、ウインターカップ予選で見えた課題を成長の糧とするはず。今年のインターハイは2回戦敗退だったが、ウインターカップでは上位進出なるか注目だ。

 宮城県は、まん延防止等重点措置や県独自の緊急事態宣言により、今年度も練習や練習試合等が制限される期間があり、東北大会など予選以外の公式戦も中止となってきた。10月1日にようやく制限が解除され、10月中旬のウインターカップ予選は無事に開催されたが、初戦はどのチームも試合勘を取り戻すのに四苦八苦の状態。とはいえ徐々に本領を発揮し、試合を重ねる中で成長を見せながら白熱した試合を展開した。まだまだチームは未完成で発展途上。県予選からウインターカップまでの短期間にも、出場する4校はさらなる成長を遂げるはずだ。

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