ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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埼玉県

2021年12月21日

男子埼玉県予選は、昨年の本大会で初のベスト8入りを果たした正智深谷が、10年連続11回目の優勝を飾った。昌平との初戦は延長戦にもつれ込む接戦となったが、これに辛くも勝利を収めると、2回戦以降は徐々に調子を上げ、準決勝は東京農大第三に104-77、インターハイ予選と同じ顔合わせとなった決勝は、埼玉栄に95-62と危なげない戦いで勝利を収めた。惜しくも準優勝となった埼玉栄だが、選手層の厚さを生かしてメンバーチェンジを頻繁に行いながら戦うスタイルが特徴的。なお、ベスト4の顔ぶれはインターハイ予選(埼玉平成と川口北)とは異なり、前出の東京農大第三と西武学園文理という私学勢が名を連ねた。

昨年のウインターカップで初めてベスト8入りを果たし、メインコートに立った正智深谷は、その舞台の雰囲気を経験した3年生を中心に、今回はさらに上(ベスト4以上)を目指す。今年のチームはビッグマンがいないため、持ち前の脚力を使ったディフェンスとアウトサイドシュートを武器に、全員がポジションレスでプレーする。勝負のカギを握るのは、キャプテンの関河虎南、そして2年生のルーニー慧。昨年からスターターとして経験を積んできた関河は、高確率な3Pシュートと身体を張ったドライブが得意。一方のルーニーも昨年、1年生ながらスターターに抜擢され、オールラウンドな活躍が期待される2年生エース。ともに身体能力が高く、得点を取ることに関しては県内トップクラスの選手だ。

女子県予選は、インターハイ予選では準決勝で埼玉栄に3点差で惜しくも敗れた昌平が、今回は決勝で山村学園を破り、3年ぶり2回目の優勝を飾った。インターハイ出場の埼玉栄は今回、山村学園と準決勝で対戦。試合はダブルオーバータイムに突入する激戦となったが、埼玉栄は惜しくも敗戦となり、夏冬の連続出場は成らなかった。今年は、県内上位6チーム(昌平、山村学園、埼玉栄、正智深谷、市立川越、県立久喜)に大きな力の差がなく、いずれのチームにも全国大会出場のチャンスがある年だった。

昌平は、粘り強いディフェンスと組織的なオフェンスを特徴とし、どこからでも点を取ることができるのが持ち味のチーム。その中で、3年生の豊田唯莉、2年生の成田海莉は同校のダブルエースとして得点を量産する。ともに1対1が強くシュート力があり、特に豊田はどんな試合でも力を発揮し、チームの精神的支柱となっている。
なお昌平は、サッカー、ラグビー、野球など他のスポーツも全国レベルで、現在、埼玉県の高校スポーツにおいて勢いに乗っている高校の一つとなっている。

埼玉県としては、今年は1月の新人大会のみが中止となったが、その他の大会はベンチメンバーのマスク着用や消毒の徹底、入場の入れ替え制などの感染症対策のもと無事に行われた。しかしながら、県が定めたガイドラインに則り部活には様々な制限が設けられ、活動停止を余儀なくされ、大会に向けたコンディションの調整に苦慮する学校も少なくなかった。また、8月に行われた支部大会では、選手が感染したため大会を棄権するチームが多数。埼玉県は東西南北4つの支部に分かれているが、大会の途中で終了した支部、大会自体を中止した支部などもあった。
そんな中でも、日々の部活動に関しては、リモートを活用したトレーニングなど、各チームで工夫を凝らした取り組みが行われ、部活動をより良くするための見直しの機会ともなった。また、各大会は無観客ということもあり、各チームで保護者やOB、OGのために動画配信するチームも増えた。

活動自粛期間中、昌平はライバル校である久喜高校、草加南高校、草加西高校とともに、動画配信サービスYouTubeでパフォーマンス動画「SAITAMAITE」を公開、明るい話題を提供した。また、4校の顧問と一緒に、県内の中高生のためのオンライン栄養講座や、東京医療保健大学の選手によるセミナーを開催するなど、様々な地域貢献も積極的に行っている。

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