秋田県
2021年12月20日
ウインターカップ秋田県予選・男子決勝戦は能代科学技術と秋田西の対戦に。両校による決勝戦は4年連続で、昨年は75-50と差を付けて能代科学技術(当時は能代工)が勝利しているが、今回は終盤までどちらが勝つか分からない大接戦となった。
序盤で流れをつかんだのは、初優勝を狙う秋田西。石川友のレイアップ、阿部貴良のジャンプシュートや3ポイントシュートで9-0とリードを奪う。一方の能代科学技術は秋田西の固いディフェンスと粘り強いリバウンドに阻まれ、思うように速攻を出せず、1クォーターは僅かに大野燿斗と高橋裕心が1本ずつ決めたのみ。秋田西が15-4とリードしてこのクォーターを終える。
2クォーターになっても秋田西はつかんだ流れを離さない。特に躍動したのが鎌田幸峻で、このクォーターだけで4本の3ポイントシュートをヒット。能代科学技術も工藤凌や高橋の3ポイントシュートなどで加点するが差を縮めるまでには至らず、秋田西が34-22とリードして試合を折り返した。
ハーフタイムを挟んで迎えた3クォーター、ここでも主導権を握ったのは秋田西で、開始2分には42-26とこの試合最大の16点差を付けてリードする。しかしここから怒涛の追い上げを見せたのが能代科学技術。高橋の3ポイントシュート、秋葉泰輝のレイアップ、控えの相原一生による右コーナーからの3ポイントシュートなどで、3クォーター終了時点で44-49の5点差まで詰め寄ってみせる。
3クォーター後半でリズムを掴んだ能代科学技術は、4クォーターでも相原の3ポイントシュート、高橋のレイアップ、中嶋正尭や大野のフリースローなどで加点。残り5分31秒には52–52と秋田西を捉えることに成功する。しかし、ここから初優勝への執念を見せたのが秋田西。鈴木勇志による3本のフィールドゴール、阿部のドライブからのレイアップで残り2分47秒には60-54と再び差を広げる。
だが、ここまでスターター5人で戦ってきたこともあり、秋田西は明らかに運動量が落ちていた。一方の能代科学技術は大野を中心としたスピードとフィジカルの強さを見せ、速さを生かして残り25秒で59–60と1点差に迫ると、続くディフェンスで高橋がスティールに成功し、その高橋から受けたパスを大野が速攻で決め、そのままゲームセット。劇的な逆転勝利で能代科学技術が4年連続50回目となるウインターカップ出場を決めた。
女子は過去10年連続でウインターカップ出場を果たしていた湯沢翔北が準決勝で秋田北に敗退。秋田北は今年のインターハイ予選準決勝で湯沢翔北に64-91と点差を付けられ敗退していたが、このウインターカップ予選準決勝では81-76で勝利。リベンジを果たしての決勝進出だった。
その決勝で秋田北と対戦したのは、大曲。大曲は昨年のウインターカップ予選決勝、今年のインターハイ予選決勝と湯沢翔北に敗れ全国への道を断たれていただけに、こんどこそ決勝戦をクリアして全国への道を切り拓きたいところだった。
試合が始まると、両チームの得点源が躍動する。秋田北のエース鈴木栞奈がジャンプシュート、ドライブからのレイアップ、2本の3ポイントシュートを決めれば、大曲のエース戸村ふうかもドライブからのレイアップ2本、3ポイントシュート、リバウンドシュートと負けず劣らずの活躍を見せる。それでもリードを奪ったのは秋田北。安田みのりの3ポイントシュート、伊藤里桜のリングへのアタックなどで1クォーターを23-14とリードする。
続く2クォーター、チームとしての流れを掴んだのは大曲。途中出場の佐々木くくみと村上奈桜が共に3ポイントシュートを含む5得点を挙げ、一時は28-30と2点差まで詰め寄っていく。一方の秋田北も途中出場の正木陽華の3ポイントシュートを決めるなど踏ん張り、前半を37-33とリードして折り返す。
3クォーター、激しい追い上げを見せたのは大曲。加藤花蓮、戸村がきっちりと2本のフリースローを決め、高橋憩の3ポイントシュート、坂本湖雪のリング下などで43-44と1点差に迫ると、残り5分12秒に坂本のジャンプシュートがリングに吸い込まれ、とうとう45-44と逆転に成功する。
しかし、ここから勝負強さを見せたのが秋田北。正木のリング下で再逆転すると、安田のジャンプシュート、鈴木の3ポイントシュートで51-47と差を広げることに成功する。そして59-54とリードして迎えた4クォーター、大曲が戸村、加藤を中心に気迫のプレーを見せてくるが、粘り強くディフェンスすることで何とか耐え、結局73-68で秋田北が勝利。念願のウインターカップ初出場を手に入れた。