和歌山県
2021年12月15日
和歌山では県の方針で各学校への感染症対策ガイドラインが定められ、高校によっては部活動ができない期間があった。自主練習やリモートを中心としたトレーニングを行ったチームが多く、チーム練習ができないと嘆く学校もあった。その間、各学校・教諭間でトレーニング方法の意見交換会などを実施した。インターハイ終了後はトレーニング中心の練習を行い、学校からの指示で10月中頃までは対外試合も全面禁止、練習時間短縮(1時間半)だったこともあり、ウインターカップ予選に向けて試合勘がなかなか戻らなかった。
また、インターハイ予選、ウインターカップ予選ともに無観客での実施となった。ただ、OBや保護者の協力があってのクラブ活動ということもあり、大会の様子を配信するなど可能な限りのことを実施。クラブでの対策は練習中のマスク着用(今大会試合中も着用)、更衣室等の人数制限と分散を徹底した。
そうして行われたウインターカップ予選では、男子は創部2年目の和歌山南陵が危なげなく勝ち上がり優勝した。夏には近畿ブロック大会ベスト8 、インターハイでは2回戦敗退となったが、これから期待を持てるチームだ。
2位の初芝橋本は久々に準決勝で和歌山工業に勝ち、決勝で和歌山南陵に挑んだが、大差で敗れた。3位の和歌山工業は、小さい選手が多いがフットワークを生かしたプレーで奮闘した。
和歌山南陵は平均身長こそ高くはないが機動力のあるチームに仕上がっている。エースのアデチュチュ デイビッド アラバの得点力がベスト8進出のカギを握っていると思われる。また、フォワードの柳沢隼士の安定感あるプレーも見逃せない。
増井拓也コーチは戦術面の指導力が高く、2年生チームながらメンバー全員が考えてプレーすることが身についており、ウインターカップの舞台は選手一人ひとりの成長をより促すだろう。学校近隣の企業も含めて地域の応援もあり、とても雰囲気良く活動をする支えになっている。創部2年目のチームだが、全国での大躍進を期待したい。
女子は和歌山信愛が16年連続23回目のウインターカップ出場を果たした。ウインターカップ予選でも危なげなく優勝。全国大会での活躍を期待したい。
2位の市立和歌山は3年生を中心に落ち着いたプレーで決勝まで勝ち進んだが、和歌山信愛には及ばなかった。今回台風の目となった3位の星林は、第8シード校と第4シード校を倒し、全員バスケットではつらつとしたプレーが印象的だった。
和歌山信愛は、突出した得点力のある選手がいないため、チームディフェンスでプレッシャーをかけ続け速攻へとつなぎリズムを作るチーム。フィジカル強化にも時間をかけてきたので、安定したシュートやリバウンドを中心に期待したい。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、県内の中学高校のバスケットボール部の減少が続いている。ウインターカップに出場する和歌山南陵、和歌山信愛は、県外から志望する選手も多く、部員数も着実に増えてきてり活気にあふれている。また、バスケットボールから和歌山県を盛り上げることをモットーにしている高校やクラブチームも近年発足しており、これからの和歌山県バスケットボールの発展に期待したい。