ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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福島県

2021年11月19日

 福島県では、各学校に向けて新型コロナウイルスの感染症対策ガイドラインが定められ、地区によっては7〜9月下旬まで感染リスクの高い合同練習、練習試合などが禁止された。特に8月はまん延防止等重点措置が発令され、県独自の対策としてさまざまな規制が入り、どのチームも大きな影響を受けた。
 ウインターカップ地区予選に関しては、県内5地区のうち2地区が中止に。中止された地区では推薦の形で県大会出場校を決めることになり、地区予選のために練習してきた3年生が大会を行わずに引退を余儀なくされるなど、非常に残念な思いをしたチームもあった。
 ウインターカップ福島県予選となる県大会は、3密を避ける運営方法と換気や消毒作業を徹底し、無観客で実施。宿泊を伴わずに、10月23〜31日の期間、2週間にわたって計4日間で開催された。結果的には、福島東稜が県初めての男女アベック優勝を果たした。

写真提供:福島県バスケットボール協会

 男子でベスト4に勝ち上がったのは、インターハイ県予選で優勝した福島東稜と、同大会で準優勝だった開志学園A&D、2016年のインターハイでは全国3位となった伝統ある県立校・福島南、昨年のウインターカップに女子部が初出場を果たした帝京安積という顔ぶれ。準決勝では、福島東稜が90-63で帝京安積を突き放して勝利。また、インターハイ県予選で3位だった福島南が、同2位の開志学園A&Dに68-47でリベンジし、決勝進出を決めた。
 敗れた開志学園A&DはB2リーグの福島ファイヤーボンズ全面バックアップの下、ダブルスクール制度で午前中に高校の授業を受け、午後はバスケットに関わるプログラムを受講するという珍しいカリキュラムを持つチーム。将来プロ選手を目指す選手たちが同校の門をたたき、日々切磋琢磨している。創部4年目の今年、インターハイ予選で福島東稜に2点差と惜敗するなどあと1歩に迫ったが、夏冬ともに惜しくも全国への壁は越えられなかった。

 決勝は、福島東稜が高いオフェンス力を発揮し、ディフェンスに定評がある福島南を1クォーターから29-10と圧倒。前半で60-29とダブルスコアを付け、109-64の快勝で大会3連覇を果たした。
 福島東稜は今年のインターハイ、 1 回戦を突破し、 2 回戦の東海大学付属諏訪(長野)には1点差の惜敗。その諏訪が続く3回戦で洛南(京都)を破りベスト8まで勝ち上がったことを考えると、全国上位進出も期待できるチームだ。下級生の頃から経験を積んできた大黒柱のンモヌ チソン フランクリン(199cm)も、最上級生となって安定感を増し、周りからの信頼も厚い。強みのインサイドに加え、思い切りの良い外角シュートが確率良く決まれば、大きな爆発力を発揮しそうだ。

写真提供:福島県バスケットボール協会

 一方の女子は、インターハイ県予選で優勝した郡山商業をはじめ、福島東稜、福島西、帝京安積の4チームがベスト4に進出。準決勝では福島東稜が、大会6連覇を狙う郡山商業を70-53で撃破し、2点差で敗れたインターハイ県予選のリベンジを達成した。また、帝京安積が福島西を70-58で下して決勝に進出。決勝は、3クォーターで福島西を突き放した福島東稜が69-50で勝利し、悲願のウインターカップ初出場を手にした。
 福島東稜は、身長191cm、ウイングスパン200cm以上という 2 年生のジモー マリー アヨミデを柱とするチーム。さらに古川清春コーチに加えて、昨年度より元Wリーグ選手の星希望アシスタントコーチが加入し、自身の経験を伝えながら指導をサポートしている。初優勝の勢いに乗って、ウインターカップでも初戦突破を果たしたい。

写真提供:福島県バスケットボール協会

 近年、郡山商業と福島西という公立校による2強時代が続いていたが、昨年のウインターカップに帝京安積が初出場、今年のウインターカップに福島東稜が初出場と、私立校の台頭により戦国時代になりつつある。福島東稜は留学生を擁するが、全国的に見れば女子にも留学生のいるチームが増えてきており、全国で勝ち上がるためにも今後、高さ対策は必須。互いにしのぎを削り合いながら、県内のレベルアップを図りたいところだ。

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