ウインターカップ2021 第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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鳥取県

2021年11月30日

 鳥取県は昨年度とは異なる困難に直面した。昨年度は新型コロナウィルスの全国的な感染拡大でインターハイそのものだけでなく、インターハイ予選も中止となった。今年度は予選開催に向けて準備を進めていたが、直前で県内高校生の感染が判明。大会直前で開催が延期、部活動も中止になったのである。再開を待って、日程を変更しておこなわれたが、会場確保などに困難を極めたという。
その後も鳥取県の感染症対策ガイドラインに沿って部活動を実施したが、春先から9月までは公式戦以外の県外への遠征は実施できず、試合経験を積み重ねることができなかった。

そんな状況のなかでウインターカップの出場権を勝ち取ったのは、男女ともに鳥取城北だった。彼らはいずれも新人大会、インターハイ予選、ウインターカップ予選の県内の主要タイトルをすべて獲得している。ウインターカップについては、男子が3年連続3回目、女子が3年ぶり2回目の出場となるが、男女揃っての、いわゆる“アベック出場”は今年度が初となる。

写真提供:鳥取県バスケットボール協会

男子はモンゴルからの留学生、オットゴンバートル スフバットの高さを生かしながらも、アウトサイドからの得点やファストブレイクなど攻撃のバリエーションが多彩。一方の女子はサイズこそ小さいものの、その分、スピードとチームワークを武器に県内の頂点に駆け上がった。

写真提供:鳥取県バスケットボール協会

鳥取城北といえば、大相撲の新横綱・照ノ富士関をはじめ、多くの力士を輩出した相撲部やソフトボール部などさまざまな部が全国的に名を知らしめている。上記のとおり、コロナ禍で対外試合は制限を余儀なくされたが、校内で他の部と切磋琢磨し合えたことが男女揃ってのウインターカップ出場につながったのだろう。

しかしインターハイは男女ともに初戦敗退。過去のウインターカップを見ても、男子が初出場の2019年大会で1回戦を突破しているが、それ以外は男女ともに勝利を挙げていない。さまざまな経験と校内の環境をうまく昇華させ、男子は2度目の、女子は初の初戦突破を目指したいところだ。

写真提供:鳥取県バスケットボール協会

県内に目を戻すと、鳥取城北に主要タイトルを奪われたものの、男子は米子工業、女子は米子南が昨年度に続いて決勝戦まで勝ち上がっている。ライバルとしての存在感を示した結果といえよう。また男子のベスト4に入った鳥取西と倉吉東は1,2年生の新チームで臨んでいる。敗れたものの、来年度に生かせると鳥取県の男子バスケットはより盛り上がってくるはずだ。女子の鳥取東も同じく1,2年生の新チームで臨み、2年連続のベスト4入りを果たしている。同じくベスト4に入った倉吉北はウインターカップ2019に出場。つまり今年度の3年生は1年生のときにその舞台を踏んでいるが、その再来とはならなかった。

結果として鳥取城北が男女揃っての出場を決めたが、それぞれが直面したコロナ禍での挑戦は、彼ら・彼女らが未来に突き進む推進力となるだろう。

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